中華英雄4コマ列伝!!! 第39回:秦檜(しんかい)

文:中国エトセトラ編集部

秦檜(1090‐1155年)

 南宋の宰相。金との和睦のために、救国の将軍として庶民にも絶大な人気を誇った岳飛に無実の罪を着せ、毒殺したことはあまりにも有名。1127年に金が宋を滅ぼすと、秦檜は金が傀儡政権を建てるのに反対したため、他の臣下とともに北へ拉致された。しかし、その後、南宋を金との和睦に導けという金の密命をおびて帰国する。1141年に、岳飛をはじめとする多くの臣下を朝廷から追放、あるいは謀殺した。1142年に、秦檜が主導した紹興の和議は、宋の領土を金に割譲し、金への朝貢を義務付た、中国史上例をみない屈辱的なものだった。

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 西湖のほとりにある岳飛の廟、岳王廟には、上半身を裸にむかれ、鎖でつながれた秦檜夫妻の銅像がある。かつては、ここを訪れた観光客が、この銅像に唾を吐きかけるのが通例だった。しかし、最近では秦檜への評価の変化もあって、唾を吐くことは中国当局も禁止している。

イラスト/河伯りょう