中華英雄4コマ列伝!! 第21回:荀彧(じゅんいく)

文:中国エトセトラ編集部

荀彧 163年~212年

後漢末期、曹操のもとで数々の献策を行い、その覇業を補佐した政治家。「性悪説」で知られる荀子に連なる家系に生まれ、若い頃より"王佐の才(主君を支えて、その人を偉大たらしめる才能)"を持つと称賛された。曹操軍加入後は、献帝を迎え入れることで曹操を大将軍の地位に就かせたり、官渡の戦いにおいては弱腰な曹操を鼓舞し続け、逆転勝利に貢献するなど、政略・軍略の両面で非凡な才能を発揮した。わずか数年で、曹操軍が最大勢力にまでのし上がったのは、荀彧の功績によるところが大きい。

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陰に日向に曹操を支えてきた荀彧には、「漢王朝再興」という志があった。だが曹操は、次第に献帝をないがしろにするようになり、魏王朝の建国を画策し始める。これに憤りを感じた荀彧は中枢から距離を置くようになり、さらに曹操から空の重箱(空っぽで役に立たないモノ)を贈られたことで「自分はもう用済みである」と解釈し、自ら毒をあおいだと言われている。