中華英雄4コマ列伝!!! 第38回:高長恭(こうちょうきょう)

文:中国エトセトラ編集部

高長恭 (541-573年)

 南北朝時代の武将。北斉の皇帝高澄の四子で、長恭は字。諸侯王としての「蘭陵王」という呼び名で知られる。勇猛な将軍であり、北周との戦いで戦 功をあげた。なかでも、564年、北周が洛陽(金墉城)を包囲した際に、段韶らとともに救援にむかった際の逸話はよく知られている。この時、高長 恭率いる北斉軍は敵を突破して城門にたどりついたが、激しい包囲戦が続いたためか、城内の兵は容易に城門を開こうとしなかった。そこで、高長恭は 兜をはずして顔を見せ、味方であることを知らせたという。高長恭は『北斉書』に「音容兼備」と記されるほど、容貌が優れていた。

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この記述は唐代になると、「蘭陵王は兵の士気が下がるのを恐れ、仮面をつけて美貌を隠していた」という逸話へと変化し、日本にも伝わって、雅楽 「蘭陵王」の題材となった。やがて5代皇帝高緯は、高長恭の名声を疎ましく思うようになり、毒を与えて自殺させた。高長恭はこのとき32才の若さ であった。

イラスト/河伯りょう

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『蘭陵王』<オフィシャルサイト>