中華英雄4コマ列伝!!! 第33回:朱元璋(しゅげんしょう)

文:中国エトセトラ編集部

朱元璋 1368年~1398年

 明の洪武帝朱元璋は、中国皇帝の中でも最下層民から成り上がった人物と言われる。朱元璋の一家は貧農で、8番目に生まれた朱元璋は、重八と呼ばれていた。元末の飢饉の中で、重八以外の家族は餓死し、重八だけが托鉢僧となって生き延びる。そして、紅巾の乱が起きると反乱軍に身を投じ、将軍として頭角を現すのだ。

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 だが、賎民同然の身分だった朱元璋は、自分の部下となった知識人たちに、激しいコンプレックスを抱いていた。そのため、文字の獄と呼ばれる弾圧が行われ、功臣の胡惟庸をはじめとする多くの官僚が処罰された。晩年になると、洪武帝の疑いの目はより多くの部下に向けられ、3万人を越える大粛正が行われたのだ。そのため、洪武帝の死後、明王朝を支える人材はいなくなり、二代皇帝である孫の建文帝は、洪武帝の四男燕王(のちの永楽帝)のクーデターによって皇帝の座を追われるのである。

イラスト/河伯りょう