中華英雄4コマ列伝!! 第30回:楊文広 (ようぶんこう)

文:中国エトセトラ編集部

楊文広(ようぶんこう 生年不詳~1074年)


ジャッキー・チェン製作で日本でも話題となった『女ドラゴンと怒りの未亡人軍団』。これは、明代の古典『楊家将演義』をもとにした作品だ。中国では、京劇をはじめとする芝居や、映画ドラマの題材として親しまれてきた。北宋と遼の激闘を、実在の将軍楊業をはじめとする楊家一族を中心に描いている。

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しかし、それだけではネタがつきてしまったのか、終盤近くなると、仙人が降臨し、必殺技が飛び交う荒唐無稽な展開に突入する。後半の主人公である楊文広も実在の武将なのだが、女難のあげくに奸臣らの讒言にあい、朝廷に嫌気がさして鶴になっていずこかへ飛び去る。明代は、『水滸伝』や『封神演義』が大流行した時代。庶民はファンタジーな味付けを待ち望んでいたのかもしれない。

文・イラスト/河伯りょう