英雄の裏側にスポットをあてた歴史小説の新境地『劉邦の宦官』に注目! 2013/7/08

9784575238068.jpg これまで、歴史の背景としてしか描かれなかった"宦官"の世界を生々しく白日の下にさらした小説『劉邦の宦官』が発売中だ。舞台は約2200年前、劉邦が初代皇帝になった後の漢・黎明期。2人の美しい少年宦官が、強く惹かれ合い密かに愛を深めるが、数奇な運命に翻弄されるうちに次第に憎み合う。著者は、本作でデビューした注目の新人・黒沢はゆま。歴史に精通する著者が、漢代の食や性、都市や宮殿の構造などを精密に描きながら、リアルにみせる宦官の生活。歪んだ闇の世界で、美も醜も織り交ぜに生き生きと語られる複雑な人間模様。読む者を古代中国の後宮に深く誘い、読んだ後には大きな余韻を残させる、その筆力は圧倒的。宦官の告白本とも言える、新しい形の歴史小説だ。

『劉邦の宦官』(著:黒沢はゆま/双葉社)は、1,575円(税込)で発売中。

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