第1弾 前田知恵さんスペシャルコメント

:前田さんが語る、中華歴史ドラマ・シリーズの楽しみ方や見どころとは?

新たなタイトル、さらに劇場公開作も発表され、ますます目がはなせない中華歴史ドラマ列伝。そのおもしろさをより多くのみなさんに知っていただくため、スペシャル・サポーターとして女優の前田知恵さんが駆けつけてくれました。多数の中国映画やアジアン・カルチャー番組で活躍する前田さんに、本シリーズの魅力をたっぷり聞かせてもらいましょう! 第1回目は前田さんと中国との出会い、中国映画&ドラマへの思いを伺いました。

:中国の作品に興味を持たれたきっかけは?

前田:高校生の頃に「さらばわが愛 覇王別姫」('93)や「宋家の三姉妹」('97)を観て、身が震えるほど感動したのを覚えています。以後中国映画に魅了されていきました。どちらも歴史モノで、半世紀前の中国の近代史を描いていますが、壮絶な争いや歴史的革命の最中に描かれる人々の心情、愛情、家族愛、苦闘、喜び、知恵など、内面に焦点を当てている中国映画、またその壮大さには特別な魅力を感じました。同じアジア圏に住む者として、社会の真情を反映した中国の作品、また中国語にも親近感が沸き、今後の日本と中国、また自身の将来についても考えるようになりました。そして、好きになった中国の監督や俳優が"北京電影学院"の出身であることを知り、「私もここで勉強したい!」「いつか一緒に映画を創りたい!」と思い、高校卒業後に留学することを決めました。

:留学時に中国の歴史モノに触れることはありましたか?

前田:北京に住んでいた頃は、三国志や水滸伝の話をよく耳にしました。近代の作家では金庸(きんよう)の作品が話題に上がっていましたね。あと中国の人って、私が日本人だと知ると"唐"の時代の話をよくするんですよ。その時代って日本からたくさんの遣唐使が送られて、日中の関わりがすごく深かったですよね。なので「日本人といえば唐の時代」というイメージが強いらしく、よくこの時代のことが話題にあがりました。

:唐の時代を舞台にした作品にも興味はありますか?

前田:あります! そういう企画があったら是非出演したいですね(笑)。実は私なりに、その時代についていろいろ調べたりしてるんですよ。二つの国を結びつけるおもしろいエピソードがあったら映像化して欲しいですね。

:中国の映画と共に、中華歴史ドラマ列伝のような作品が日本でも続々と楽しめるようになったことをどう思われますか?

前田:中国の作品の良さをたくさんの人に知ってもらえることがうれしいです。最近は、技術的にもとてもクオリティが高くなり、内容も奥深く、味わい深い作品が続々と誕生し、新たに創作されて蘇る中国の歴史ドラマから古代の英雄、現代の名優の姿を日本にいながらも観られるようになったのはとても素敵なことだと思います。

:具体的にどういった面が向上したと思いますか?

前田:CGなど新しい撮影方法を多く取り入れるようになっただけでなく、中国の映画製作の規制が以前よりも緩和され、題材も幅広く、表現も自由に、豊かになってきました。また国際的に活躍する俳優・監督も増え、芝居・演出のスタイルなどにも変化があり、これらの表現方法、また放映・放送される地域の拡大なども含め、とても向上していっていると思います。そして中国と言えば、何千年という歴史を持つ歴史大国。その中から興味深く、まだ描かれていないエピソードを探し出して映像化することは、歴史大国だからこそ、そして歴史を重んじる人たちだからこそできることだと思います。その長い歴史を掘り返していけば、おもしろい物語がまだまだ出てきますよね。きっと。

:中華歴史ドラマを楽しむコツはありますか?

前田:例えば"正義"や"忠誠"という言葉は、現代ドラマではあまり使われず、少し違和感を覚えますよね。でも歴史モノや武侠モノみたいに昔を舞台にした作品だと、本当に大切な気持ちとか考え方を、自然なかたちで心に染み込むように感じさせてくれるので、じっくりと腰をすえて観てほしいですね。

:これから中華歴史ドラマをご覧になるみなさんに一言お願いします。

前田:中国映画の一番の特長は、観ることで"学べる"ことにあると思います。中国映画には観終わった後、心に何か良い影響を与えてくれる後味があります。男性ならリーダーを目指す人、トップを目指す人には是非こういった「大秦帝国」のような作品を観てほしいと思います。また女性にとっても、愛する人を支えるヒロインの姿に共感や憧れのようなものを抱けると思うので、想像以上に楽しめると思います。少しでも多くの方たちに観て頂いて、是非ご感想など私の方にも頂けたら嬉しいです!

ありがとうございました。次回は、一代にして明王朝を築き上げた英雄・朱元璋(しゅげんしょう)の生涯を描いた「大明帝国 朱元璋」について、コメントをいただきたいと思います。どうぞご期待ください!